パラシュートパターン、それもクリンクハマータイプの素晴らしさはテンカラ釣りでも効果は遺憾なく発揮されますし、実際にその作者自らクリンクハマー・テンカラスペシャルを作られてもいますけど、 折角のテンカラなり毛鉤釣りならそのまま西洋疑似餌の「Flies」を使うのに躊躇される方向けではあります・・・
万能型としては「二重巻き蓑毛毛鉤」・・・
何回も出てきますが、それだけ実釣用として効果を感じています
その様式で水面を意識した「乾毛鉤」式
・・・前に紹介したフライで言うハーフストーンタイプの和式毛鉤
これを更に水面直下に意識を向けると秋山郷毛鉤式・・・
完全に水中を意識すると「伏せ蓑型毛鉤」も有ります
・・・孔雀胴だけでなくゼンマイ胴パターン
・・・お薦めの「日本雉胴」パターン(水の中で妖しく光ります)
和式毛鉤からの目線で今のテンカラ毛鉤を見たとしたら、本来なら違う装いを纏えていた筈と感じているかもしれません・・・(笑)
和式毛鉤の源が「京毛鉤」に有り、そこから加賀、播州、高知等に伝わり「鮎毛鉤」や「ハス毛鉤」になったのなら「テンカラ毛鉤」の源は別物でしょうか? 何故かバタ臭い「日光毛鉤」の源は?とか、日本で「テンカラ」と呼ばれ出した頃に販売され、テンカラ毛鉤とされた「魚心毛鉤」は?、となれば今様和式毛鉤や今のテンカラ毛鉤の姿は自ずと決まっているのではと思うのですけど・・・
それは「幻」とされたり、本来の意味合いが伴わない表面的な形ばかりを似せた「伝承毛鉤」とか「伝統毛鉤」とは別物かもしれません・・・
秋山郷毛鉤の使い手からの話・・・
岩魚は餌を咥えて巣穴に戻る時、口をモグモグさせて食えるか食えないかの判断をするからこの形の毛鉤になった
・・・真意は魚に聞いてみないと判りませんが歯触りの良さを毛鉤に求めた話は初めてでした(笑)
山繭胴毛鉤の使い手からの話・・・
山繭は蚕の繭の様に煮て解してはダメだ、折角の蟲の臭いが消えてしまう
・・・染色された絹糸にそのままの山繭をダビングしたのはその言われた言葉を守るため、空いた山繭を使うのは、無事に羽化出来た吉兆印だから云々は「ゲン担ぎ」とは思っていますけど、臭いまでとは(笑)
テンカラ釣りは「一流一派」とか「十人十色」とかと言われますが商業ベースが使う「逃げ口上」としてでは無く、使う道具は同じに見えても毛鉤釣りに対する理解とその深さの違いではと、大阿闍梨を探し求めて未だに教えを乞う立場だからこそ感じてもいます
今まで、信じてきたことが信じ込んでいただけの話だったり、断片的に聞いてきたことがジグソーパズルの最後の一片の様に、ある日突然に繋がって長年の謎が解けたりと「夜討ち朝駆け釣三昧」の時期とは違う楽しみが今は有ります
道具としての毛鉤に自身の思いを込めるとか、毛鉤からの目線で 見るなんて、端的に言えば「私は毛鉤」・・・それこそ、気狂いの世界ですけど(笑)
西洋疑似餌「Flies」の世界でも忌み嫌われている事が一つ、昔から有るパターンを マテリアルだったり色違い程度のアレンジでオリジナルと言い出す輩がいる事 、その逃げ口上を「幻」で誤魔化すなら、地域に根付いた毛鉤に「幻」は無い
当初は理解を深める為にFF釣法とテンカラ釣りの類似点を求め、今はその違いをKebari and Fly で味わうのも愉しい、ただ不思議な事は1960年代以前、まだテンカラ釣りと呼ばれる前の古い和式毛鉤の方が古い英国パターンにも通じる、毛鉤に対する理解は今のフライよりもフライらしい・・・(笑)